着物のリサイクル方法6選|売却のコツや依頼する際の注意点を解説

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着用する機会がないものの捨てられない着物は、ずっとタンスに収納したままになってしまいます。そのような着物は、リサイクルして有効に活用してみましょう。本記事では、着物のリサイクル方法6選や売却のコツ、着物専門買取業者に依頼する際の注意点、避けるべき着物買取業者の特徴について解説します。

着物リサイクルをおすすめする理由

着物リサイクルをおすすめする理由は主に3つあります。

・着物をゴミとして捨ててしまうのはもったいない

・着物の価値は素人では分かりづらい

・着物は江戸時代からリサイクルされ大事に扱われていた

ここでは、3つの理由をご紹介します。

着物はゴミとして捨てることができる

着物にはそれほど執着がなく、リサイクルよりも処分したいと考える方もいらっしゃるでしょう。着物は、自治体の資源回収や古布として、指定する場所に持ち込むことで、回収・処分してくれます。回収した古着のうち着られるものは中古衣料、そうでないものはウエス(工業用ぞうきん)などに再生利用されます。

実は、「捨てる」というイメージの資源回収や古布もリサイクルの1つです。まだ着られる着物には有効に利用される可能性があるといえます。また、カビが発生しているなど着られない状態の着物は、可燃ゴミに出せる地域もあるので、自治体のホームページなどで確認しておきましょう。

着物をゴミとして捨ててしまうのはもったいない

着物は、可燃ゴミもしくは資源回収や古布として回収してもらうことができますが、捨ててしまうのはもったいないことです。保管の仕方によっては、親から子へさらに孫へと3代は受け継ぐことができます。もともと着物は、長く着ることを前提に丈夫に作られているのです。そのため、まだ着られるのであれば、捨ててしまうよりもリサイクルすると換金できたり人に喜んでもらえたりと、有益になります。

着物の価値は素人では分かりづらい

着物にあまり興味のない方にとって、着物の年代や生産地、技法といった価値は分かりづらいでしょう。もしかしたら手元にある着物の中に、希少価値があり高額で買い取ってもらえるものがあるかもしれません。着物は高価なものが多く、購入から時間が経っていないものであれば、買取の市場価値を調べてみることをおすすめします。

着物は江戸時代からリサイクルされ大事に扱われていた

江戸時代には、反物を購入して着物を仕立てて着用する一方で、古着として着物を売買するリサイクルがすでに発展していました。江戸時代の着物は絹、木綿、大麻、苧麻(ちょま:イラクサ科の植物)で作られ、絹は貴重品だったため木綿や麻を使い自分で日常着を作り、古布を裂いて繊維状にし織り直すという裂織(さきおり)も行われていました。このように着物は大事に扱われ、捨てずに活用され続けていたのです。

参考:和装振興研究会報告書|経済産業省

着物のリサイクル方法おすすめ6選

ここまで、着物リサイクルをおすすめする理由をご紹介しました。納得できる理由があれば、具体的なリサイクルについて考えていきましょう。ここでは、資源回収や古着のほかにおすすめしたい着物のリサイクル方法をご紹介します。

着物が好きな人に譲る

親戚や友人に着物が好きな方がいれば、その方に譲る方法がおすすめです。親戚や友人にとって高価な着物を譲ってもらえれば喜ばれるでしょうし、直接喜ぶ顔が見えると嬉しいものです。着物にはサイズがありますから手直しする必要がない方を選び、汚れがある場合はシミ抜きや着物専門のクリーニングに出して、気持ちよく着用してもらえるよう配慮しましょう。

リメイク専門業者に依頼する

着物をリメイク専門業者に依頼して、作り直してもらい再利用する方法があります。着物を自分だけの1点物として楽しみたい方におすすめです。最近では、捨てられるはずの物にデザインやアイデアといった新たな価値を与えて再利用する「アップサイクル」が注目されています。

環境省では、消費者と企業に対してサステナブルファッション(持続可能なファッションへの取り組み)としてアップサイクルを推奨しています。着物も例外ではありません。和の伝統美を活かしたワンピースやドレス、バッグなどの小物などにリメイクしてくれる専門業者も人気が高まっています。ただし、一度裁断してしまうと売却できないため売却方法を検討したうえで、売却不可能であればリメイク専門業者に依頼するのも1つの考えです。

参考:SUSTAINABLE FASHION(サスティナブルファッション)|環境省

リサイクルショップに持ち込む

最近では、全国展開しているリサイクルショップも多く、近くにリサイクルショップがあれば、着物を持ち込んで査定してもらうことが可能です。手軽に利用できるうえに、その場で換金してもらえます。

ただし、リサイクルショップは着物の評価が低くなることがあります。なぜなら、リサイクルショップは主に家電や衣服、家具といった生活用品を幅広く取り扱い、着物の専門知識をもったスタッフが在籍していないためです。リサイクルショップを利用する際には、着物の買取りに対応しているか、専門スタッフの査定があるのかを確認しましょう。

ネットオークションで売る

ネットオークションに出品して着物を売却する方法もあります。自分で販売開始価格を決めることができるため、設定した最低価格を下回ることはありません。気軽に始めることができますが、着物の状態や色合いを正確に伝えるための撮影技術や説明力、採寸の技術が求められます。さらに落札者とのやりとりをはじめとした発送までの手間も必要です。

あくまでも取引きですから、出品するば必ず売れるわけではなく、買い手がつかないまま掲載期間が終了してしまうこともあります。そのため、確実に売りたい方には向いていない方法です。

フリマアプリで売る

フリマアプリを利用して、着物を売却することも可能です。着物をはじめとした衣類もよく取引されています。最近ではフリマアプリが普及し、利用する人が増えていることから、着物を必要とする人が購入してくれる可能性があります。

しかし、着物を安く手ごろな価格で購入したいという方は多く、値切りされることも少なくありません。そのため、自分が希望する価格より安くなる場合も多く、高額になるほど買い手がつきにくいことを覚えておきましょう。水濡れなどを防ぐ梱包や発送にかかる費用を考慮すると、より多くのお金を手元に残したい方には不向きな方法でもあります。

着物専門買取業者に買い取ってもらう

着物を専門に買取りしている業者に依頼するのが、最もおすすめのリサイクル方法です。

着物専門買取業者であれば、着物に関する専門知識をもったプロが査定しますから、さまざまなものを総合的な買取業者に比べて、納得のいく買取りになる可能性が高いです。

まずは見積もりを依頼し、買取りが可能か、査定額はいくらになるかなどを確認しましょう。多くの業者はキャンセル料や査定料が無料で、納得できなければ断ることもできますから、気軽に相談することをおすすめします。

着物リサイクルは売却がおすすめ!売却のコツ

さまざまな着物のリサイクル方法をご紹介しましたが、まだ着られる着物であれば、中古の着物として売却することも可能でしょう。タンスに眠ったままにしておくよりも売却したほうが断然お得です。また、できるだけ高額で売却したいと考える方も多いでしょう。ここでは、少しでも高く売却するコツについて解説します。

適切に保管する

着物は適切に保管することによって、良い状態を保ち、市場価値が上がります。着用後の着物はきれいに見えても、ほこりや汚れが付いていることが多いものです。着用後はほこりをはらい、袖口やえりの汚れに気づいたら、硬く絞ったタオルで拭き取っておきましょう。その後は、半日ほど陰干しで乾燥させます。シワにならないよう、正しくたたんでたとう紙に包んで保管します。

また、なかなか着る機会のない着物は、定期的な虫干しが効果的です。すべての着物を虫干しすることが難しい場合は、引き出しを開けて扇風機の風を10分ほど当てるだけでも湿気対策になります。手間をかけることで、着物を少しでも高く売却することにつながるのです。

証紙をつける

着物の証紙は、売却価格を左右する重要なものです。証紙とは商標登録のことで、産地ごとに定められた検査基準をクリアしたものに与えられる産地の証明と品質の証です。産地の組合が発行し、絹100%であるか、機械織りか手織りか、どのような染め方をしているかなどの情報が記載されています。大島紬、結城紬、西陣織、京友禅、加賀友禅など有名産地の着物には証紙がついています。

証紙の一例として、鹿児島県奄美大島産の大島紬の証紙を以下に示します。

<鹿児島県奄美大島産「本場奄美大島紬」手織り>

引用:本場奄美大島紬の証明|本場奄美大島紬協同組合

<鹿児島県奄美大島産「本場奄美大島紬」機械織り>

引用:本場奄美大島紬の証明|本場奄美大島紬協同組合

同じ大島紬であっても、上記のように染め方や織り方が異なるものがあり、証紙の違いでそれらを判別することができます。大島紬の場合は、手織りを示す証紙がついている着物が高値がつきます。ただし、すべての着物についているわけではなく、製作者が組合に入っていない場合は証紙がつきません。組合が作られる以前に制作された古い着物もついていない場合があります。購入した際に証紙がついていた場合は、必ずつけるようにしましょう。

落款を確認する

落款は作者や製作工房を特定できるため、有名な着物作家の落款がついていれば高値での売却が期待できます。落款とは、着物の作者を示す印鑑のようなものです。人間国宝に認定された作家には、友禅染・型染・織り・織りなどの分野で認められた第一人者である北村武資、森口邦彦、志村ふくみなど45名がいます。

落款の一例として、加賀友禅作家の落款を以下に示します。

<加賀友禅作家の落款>

引用:落款|加賀友禅|加賀友禅会館

落款は、着物のおくみ(前身頃に縫いつける半幅の細長い布のこと)もしくは衿先など見えないところに捺されています。着物の前身頃から裾までを確認してみましょう。また、同じ作者であれば同じデザインですが、弟子が踏襲した場合、作家名は同じでも師匠と弟子ではデザインが若干変更されることがあります。落款の真偽は、経験豊富な査定士による鑑定が必要です。

帯や和装小物も合わせて査定に出す

着物は帯や和装小物を組み合わせて購入し、着用することが多いものです。和装小物とは、着物を着る際に必要なアイテムの総称で、帯締めや帯留、帯揚げ、草履、和装バッグなどがあります。

帯や小物をそれぞれ単体で買取りに出しても、材質によっては買取り不可になることも少なくありません。しかし、証紙がついた帯や鑑定書があるような希少価値の高い和装小物であれば高値が期待できます。使わない帯や和装小物があれば、それらを合わせて査定に出してみるとよいでしょう。

できるだけ早いうちに売る

売却が決まっている着物や帯、和装小物は、できるだけ早く売ることも重要になります。保管には手間がかかるうえ、保管期間が長くなると、経年劣化による生地の傷みを防ぐことが難しいためです。当然のことですが、状態が良いほど売却価格は高くなります。したがって、できるだけ早いうちに売ることが最大のコツといえます。

複数の着物専門買取業者に見積りを出してもらう

複数の着物専門買取業者に、同じ内容で見積りを依頼しましょう。査定額や買取にともなって、どのような費用が必要になるのかなどを比較する手段になります。多くの業者は、電話もしくはホームページを通して見積りが可能です。

せっかく売るのですから、査定額の1番高いところに売れば納得感も大きくなります。ただし、査定額にあまり差がない場合は、2番めに高い業者に価格の引き上げ交渉をしてみるのもよいでしょう。複数の業者から見積りを取ったうえで総合的に判断するのが、高く売却するための確実な方法です。

着物リサイクルを着物専門買取業者に依頼する際の注意点

着物リサイクルを専門業者に依頼する場合においては、トラブルなく安心して任せたいものです。信頼できる業者を見分けるには、どうしたらいいのか迷うこともあるでしょう。ここでは、着物リサイクルを着物専門買取業者に依頼する際の注意点について解説します。

古物商の許可がある

業者に依頼する際には、古物商の許可があることが最も重要になります。古物商とは、中古品を取り扱って売買、交換などの事業を行っている者のことです。中古品ときくと、一度は使ったものというイメージですが、未使用の着物であっても誰かの手に渡った時点で中古品となります。これらの中古品買取りをするためには、古物営業法に基づく古物商の許可が必要なのです。

依頼する際には、ホームページで古物営業許可の登録表示がされていることを確認しましょう。さらに、出張買取の営業スタッフは「行商従事者証」の携帯(コピー不可)が義務づけられており、様式も定められています。買取業者のなかには、無許可で違法営業を行っている業者がいるため注意が必要です。

参考:古物営業法

複数の買取方法から選べる

買取方法には、店頭買取のほかにも出張買取、宅配買取の3つがあります。買取りを依頼する方にとって、どれか1つではなく、ライフスタイルに合わせて複数の買取方法から選択できる業者を選ぶことが大切です。ここでは、3つの買取方法について解説します。

店頭買取

業者の店舗へ着物を直接持ち込んで査定をしてもらい、現金化してもらう方法です。自分のタイミングで店舗に出向き、すぐ現金化できる点が最大のメリットです。査定士とのやり取りや店内の雰囲気を知ることができる点も、安心感につながります。

その一方で、時間と手間がかかる点で懸念される方もいらっしゃるでしょう。家から店舗までアクセスが悪い場合や、大量の着物買取では利用しにくいかもしれません。また、営業時間内でないと対応してもらえないため、忙しい方にはデメリットになる方法ともいえます。

出張買取

業者の査定士が自宅まで出張し、着物の査定から支払いまでを行う方法です。自宅にいながら査定してもらえるため、大量にある場合でも手間が軽減されます。また、買取り予定のない着物でも、その場で追加査定してもらうことが可能です。

自宅にいながら査定してもらうことがデメリットになることもあります。やはり、自宅に他人を招き入れることに抵抗がある方もいらっしゃるようです。男性スタッフが不安という女性には、女性スタッフを派遣してくれる業者もあります。依頼する際に確認してみましょう。

宅配買取

自宅に届く宅配キットもしくは段ボールに着物など査定してほしいものを詰め、業者に発送することで査定・買取りが行われる方法です。宅配業者が自宅まで集荷に来てくれて、送料も業者が負担するケースがほとんどで、自分のタイミングで進められる点がメリットになります。また、全国対応している業者が多く、近くに着物専門買取業者がない方にとっても便利です。

最大のデメリットは、他の買取方法に比べて現金化するまでに時間がかかることです。買取りまで流れは、業者に届いてから査定が行われ、提示された査定額に合意したあとに入金となります。申込みから1週間程度かかることも珍しくありません。すぐにでも現金化したい方には不向きともいえます。さらに、キャンセル時の返送料が依頼者の負担となるケースがあるので、申込みの際に返送料の有無とおおよその送料を調べておきましょう。

料金設定が明確になっている

見積もりに記載されている内容を細部まで目を通して、料金設定が明確になっているか確認しましょう。買取業者の料金設定は、着物の種類や状態または需要のバランスにより変動するため一定ではありません。

せっかく高い査定額が提示されても、査定料や出張料、発送料、振込手数料、追加料金などさまざまなコストがかかると、手元に残る総額が想定以上に低くなるケースもあります。買取のキャンセル料や返送料も確認しておくべきです。これらの手数料について分かりやすく表示されているか、分からないことへの説明が納得できるものかを踏まえて依頼することが大切です。

避けるべき着物買取業者の特徴

ここまで、着物リサイクルを着物専門買取業者に依頼する際の注意点について解説しました。良心的な買取業者が多いのですが、残念ながら依頼者に大きな損害を与える業者も存在するのも事実です。ここでは、避けるべき着物買取業者の特徴を解説します。

特定商取引法を確認

まず、買取において知っておくべき特定商取引法を確認しましょう。特定商取引法(特定商取引に関する法律)とは、事業者による違法・悪質な行為などを防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。具体的には、訪問販売や訪問購入、電話勧誘販売などのトラブルを生じやすい取引形態を対象に、事業者が守るべき取引のルールを定めています。

着物の買取りでは、事業者が消費者の自宅を訪問して買取りを行う場合(訪問購入/出張買取)を指します。店舗以外の場所であることが訪問購入の要件になるため、自宅以外では買取イベント会場や喫茶店のように店舗とはいえない場所も該当します。

参考:特定商取引法|消費者庁

押し買いをしようとする業者

押し買いとは、価値の高いものを不当に安い価格で無理やり買い取ることです。例えば、

一人暮らしの高齢者宅へ不要な着物を買い取ると電話があり、強引に貴金属までも買い取っていくといった事例があります。着物の買取りを依頼した業者によって、金券や貴金属の鑑定を強要するという事例もあり、押し買いをする業者の手口はさまざまです。

押し買いをする業者は、以下のような共通点があります。

・実在する店舗や事務所がない

・セールスの電話や飛び込みで訪問する

・行商従事者証を提示しない

・名刺に個人名と携帯電話番号しか書かれていない

・金券や貴金属について執拗に尋ねる

・8日間のクーリングオフ(買い戻し)の説明がない

大切なのは、家に入れず玄関先で対応し、帰ってくれないようであれば110番しても構いません。うっかり対応してしまわないよう注意しましょう。

参考:事例紹介|特定商取引法ガイド 

買い叩きをする業者

買い叩きとは、極端に安い価格で買い取ることです。あらかじめ、売りたい着物の相場を調べて買取価格の目安を把握しましょう。相場観を知らないと、提示された査定価格が妥当なのか判断できません。調べた相場と査定額に大きな差があれば、その根拠を説明してもらうようにします。良識のある買取業者であれば、誠実に説明してくれるはずです。

買い叩きをする業者には、以下のような共通点があります。

・買取価格の根拠を説明できない

・着物の査定士としての能力が低いもしくは全くない

・価格を下げようと荒さがしをする

査定価格に満足できないことは優良な業者との間にも起こり得ます。ただし、無理やり買取を成立させようとすることはありません。査定価格に納得できない場合は、きっぱりと断りましょう。

参考:特定商取引法ガイド

最後に

本記事では、着物のリサイクル方法6選や売却のコツ、着物専門買取業者に依頼する際の注意点、避けるべき着物買取業者の特徴について解説しました。着物はゴミとして処分できますが、まだ着られる着物をただ捨ててしまうのはもったいないことで、ひょっとすると希少性の高い着物や換金できるものがあるかもしれません。お手元にある着物を今一度チェックしてみましょう。本記事で紹介したさまざまなリサイクルの方法の中で、ご自身に有益になるものがあれば、ぜひ試してみてください。

 

この記事を書いた人

着物買取のてびき編集部

はじめての着物買取で生じる様々な疑問にお答えできるメディア「着物買取のてびき」を運営する編集部です。着物の正しい知識とリアルな体験談を主軸に情報をお届けします。