西陣織とは?歴史や特徴と12品種など基礎知識について解説

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西陣織は、帯の三大産地として高く評価される京都の西陣地域で生産される高級織物です。長い歴史の中で、独自の技法を受け継ぎ、国の伝統的工芸品に指定されています。本記事では、西陣織とはどのような織物か、その歴史や特徴、伝統的工芸品に指定されている12品種、帯の種類について解説します。

西陣織とは

西陣織とは、京都市街の北西部一帯で生産される高級織物の総称です。西陣織といえば帯を思い浮かべる方が多いように、西陣は福岡県の博多や群馬県の桐生と並んで帯の三大産地のひとつにあげられます。また、日本の伝統的工芸品に指定され、高級な着物や帯として、京都の人にとって生活に根差した身近な織物であるともいえます。

京都・西陣地域で作られる高級絹織物

西陣織とは、その名の通り京都の西陣地域で生産されている先染め(さきぞめ)の織物を指しています。織りの段階前に染めた多色の色糸による美しい文様が魅力のひとつです。西陣織の中心は帯や着物の生地ですが、舞台の幕に挙げられる緞帳(どんちょう)、能衣装や高僧の袈裟(けさ)、草履、和装袋・バッグなどに活用されています。

 

また、西陣地域とは京都市の北西部一帯のことで、西陣織にたずさわる業者が密集する地域を指しています。歴史的に西陣織を営んでいる地域である現在の上京区あたりから、西陣織の生産が拡大するにしたがって、発展していったといわれています。

 

参考:西陣の由来 | 西陣織工業組合

日本三大産地といわれる西陣の帯も有名

帯の産地は、大きく分けると京都府の西陣、福岡県の博多、群馬県の桐生の3つで、日本三大産地として広く認められています。着物と帯の組み合わせは「染めの着物に織りの帯」と言われていますが、フォーマルな場で着用される高級な染めの着物には、金糸銀糸があしらわれた豪華な織りの帯がふさわしいという意味です。

 

この「織りの帯」の代表格が西陣織です。実際に、西陣織における帯の生産量は着物生地より多く、全体の約3割を占めています。それゆえに、西陣といえば帯といわれるのももっともなことなのです。西陣地域には、江戸時代に創業し200年以上の歴史がある老舗の帯ブランドも数多く存在しており、服部織物、川島織物などが有名です。

 

参考:西陣織物の出荷状況|2022年|京都府政策企画部企画統計課

12品種が日本の伝統的工芸品に指定されている

西陣織は、伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)に基づいて、1976年に経済産業大臣から伝統的工芸品に指定されました。金糸銀糸を織り込んだものから絣かすりや縞しまなど普段使いができるものまで、12種類が指定されていることが特徴です。一般的に、1つの生産地に1つの品目が指定され、西陣織のように多品目が指定されることは非常に珍しいといえます。

 

参考:伝統的工芸品|経済産業省伝統的工芸品指定品目一覧|経済産業省

西陣織の歴史

 

織物の技術自体は、古墳時代(300〜600)にさかのぼり、新羅(しらぎ)から日本に渡来してきた秦氏一族が京都に移り住み、伝えたとされています。その後、西陣織と名が付いてから550年以上の歴史のなかで培われ、京都・西陣地域で受け継がれているのです。ここでは、西陣織の名前の由来から、大きく発展した室町時代、技術革新がなされた明治時代をご紹介します。

西陣織の由来:応仁の乱で西軍本陣を置いた地名

西陣という地名は、応仁の乱(1467~77)の西軍・山名宗全(やまなそうぜん)の屋敷内に本陣を置いたことに由来します。応仁の乱が終息すると、戦火を逃れた織職人たちが西陣があった場所に戻り、織物業を再開しました。この頃から、この地域が西陣と呼ばれ、西陣織という名前がつけられたのです。

 

現在では、東陣があった地域も合わせて西陣と呼ばれています。西陣という地名になって550年以上経ち、11月11日は応仁の乱が終わった日とされ、「西陣の日」に認定されています。

室町時代:「大舎人座」により西陣織へ発展

応仁の乱の影響で、西陣の織物業はほぼ壊滅状態にまで衰退していました。これ以前に、織職人による大舎人座(おおとねりざ)という同業組合のようなものを組織していましたが、応仁の乱を避けて堺などに疎開していた職人たちによって復興されたのです。1571年には将軍家直属の織物所「御寮織物司(ごりょうおりものつかさ)」に指定されるなど西陣織の基礎を築き発展していきました。

明治時代:西洋からジャカード織機の導入による技術革新

1869年に技術革新を目指し、近代的な再編を進めることを目的に西陣物産会社が設立されました。その3年後(1872)には、佐倉常七(さくらつねしち)井上伊兵衛(いのうえいへえ)吉田忠七(よしだちゅうしち)を留学させ、フランス式のジャカード(紋織装置)など数十種の織機装置を輸入しました。さらに翌年(1873)には、四世伊達弥助(だてやすけ)がオーストリア式のジャカードを持ち帰り、新式の紋織技術がもたらされたのです。

 

このようにさまざまな技術革新に取り組んだことで、いち早く洋式技術も定着させていくことに成功しました。各地の博覧会では、西陣織が賞を総なめにし、着物ブームを起こすきっかけを作りだしました。そして、京都最大の産業に発展し、近年に至ります。

 

参考文献:西陣機業の歴史と展開|森谷尅久
参考:西陣織|フィールド・ミュージアム京都

西陣織の特徴

 

西陣織といえば、鮮やかな色彩と繊細さ、かつ優美さが魅力です。これは、西陣織が日本最高峰の織りといわれるまで、技術革新に積極的に取り組み、伝統の技術を受け継ぎながら、新しい技術を取り入れてきたことにあります。ここでは、西陣織独特の織り方や伝統的工芸品に指定された品目12種、西陣織の品質を保証する証紙について解説します。

西陣織独自の「爪掻き本綴れ織り」

爪掻き本綴れ織り(つめかきほんつづれおり)とは、西陣織独自の爪搔きの技法で織られる織物のことを指します。爪搔きは、織り職人の爪をノコギリの歯のようにギザギザに刻んで、文様となる糸を1本ずつ搔き寄せる技法です。綴機(つづればた)を使い、すべての工程が手作業で行われるため、複雑な文様であれば1日に数センチも織り進めないこともあります。それゆえに、極めて生産数も少ない希少価値の高い織物です。

西陣織における帯の柄付け

西陣織の帯を広げてみると、柄が全体に広がるものとポイント的に描かれているものがあります。柄のつけ方によって、通し柄とお太鼓柄の2種類に大別され、通し柄にも全通柄と六通柄があります。帯を選ぶポイントにもなりますから、その違いを明確にしておきましょう。ここでは、全通柄、六通柄、お太鼓柄の3種類について解説します。

全通柄

全通柄とは、帯全体に柄が入っている帯のことです。どのような結び方をしても柄が綺麗に出るため、帯の結び方に左右されず、複雑な結び方にも柔軟に対応できる利点があります。帯全体に柄が織られるため華やかな印象のものが多い一方で、重量感があり手間がかかるため、丸帯や袋帯といった高級な帯に使われます。

六通柄

六通柄とは、帯全体の6割ほどに柄が入っている帯のことです。全通柄を簡略化したもので、胴に巻く1周め部分が無地(中無地)になっており、着用すると全通柄と同じように見えることが特徴です。また、中無地がある分、生産コストを抑えることができます。袋帯のほとんどが六通柄で、変わり結びに対応できるよう無地部分が少なくなっているものもあります。

お太鼓柄

お太鼓柄とは、お太鼓結びだけに使う帯のことで、帯を締めた時に太鼓部分(背中側)と胴の部分に柄が入っています。帯全体の3割ほどになるため三通とも呼ばれることもあります。全通柄や六通柄に比べて安価なものが多いです。柄が少なくシンプルに見える反面、印象的な柄を入れることもでき、幅広い着物に合わせやすいことが特徴です。

西陣織の西陣証紙

西陣織の帯には、西陣織工業組合が発行するメガネ型証紙が添付されています。証紙には、帯地の種類や織元の登録番号が印字されています。組合の検査を通過すると商標登録を示す証紙が貼られ、まぎれもなく西陣織であることを示されます。また、証紙には2種類あり、金ホイル紙の「紙製」とサテン地の「布製」です。

 

<西陣織工業組合が発行する証紙>
西陣証紙には、以下のものがあります。アフターサービスは、この証紙から織元を特定して対応してもらうことが可能です。西陣帯を仕立てると証紙を取ってしまうため、仕立てた残布とともに保管しましょう。

 

<袋帯用証紙>

<京袋帯用証紙>

<爪掻本綴帯用証紙>

<黒共帯用証紙>

 

引用:西陣織工業組合

 

また、西陣織物工業組合のサイトにある検索フォームに西陣証紙にある登録番号を入力すると、どこの織元によって生産されたのかを調べることができます。織元の名前を確認したい方は、ぜひ利用してみてください。

 

 

参考:組合員検索|西陣織工業組合

西陣織の品目12種

 

西陣織は、すでにご紹介した通り、織りの段階前に糸を染め、多色の糸によって美しい文様を織り上げます。長い歴史の中で育まれた「伝統的な手工業技術」を活かして、多くの種類を少量生産する方式が特徴です。ここでは、日本の伝統的工芸品に指定された12品目について解説します。

1.綴織

綴織(つづれおり)は、平織(ひらおり:経糸と緯糸を交互に浮き沈みさせる織技法)の応用で、緯糸(よこいと)だけで文様が表現されている織物です。

西陣織の爪掻本綴織(つめかきほんつづれおり)は、手投杼(てなげひ)という道具を使って、緯糸をすくい、ノコギリの歯のように削った爪先で搔き寄せ、筋立てという櫛で織り込む技法が用いられています。型紙や図案があるのではなく、 白いキャンパスに絵を描くように織り上げていく高度な技術が必要とされます。

2.経錦

まず錦とは、2色以上の色糸やを使った、彩りのある模様を織り出した織物を指します。西陣織では、糸だけでなく金銀の箔を材料にすることも多いです。経錦(たてにしき)は、その名の通り経糸(たていと)によって、地も文様も織り出されている錦のことです。小さな文様が並んでいることが特徴です。

3色を1組とする経糸と、母緯(おもぬき)と陰緯(かげぬき)という緯糸の3つで構成されます。これを一般的に三重経といいますが、文様の色数が多くなれば、それだけ経糸の本数も増え複雑な作業となり、さらに高度な技術と手間が必要になります。

3.緯錦

緯錦(ぬきにしき)は、緯糸で地も文様も織り出された錦のことです。経糸は数色を1組とし、母緯(おもぬき)と陰緯(かげぬき)という緯糸の3つで構成されます。多色使いの華やかな文様を表現でき、経錦に比べて大きな文様を表現することが可能です。

4.緞子

緞子(どんす)は、繻子(しゅす)組織(織物の三原組織の1つ)を基本とした紋織物のことです。西陣織では、糸だけではなく金銀の箔を材料とすることも多くみられます。経糸と緯糸を5本ずつ使う五枚繻子で、繻子織の裏組織に文様を織り出し、地が厚く光沢の強さが特徴です。地に光沢があり、立体的な文様と合わさって陰影がついたように見えます。

5.朱珍

朱珍(しゅちん)は、繻子組織の地に多色の絵緯(えぬき)と呼ばれる緯糸を使用して文様を織り出した織物のことです。多彩な緯糸には金銀箔が使われることも多く、さまざまな文様が表現されます。かつては、公家装束や打掛などに用いられたなめらかで艶がある高級な織物です。

6.紹巴

紹巴(しょうは)は、山形の斜文線を織り出す織物のことで、西陣織では綾織り、朱子織りあるいは平織りの変化織りで織られます。強く撚りをかけた糸を経糸と緯糸に用いられるため柔らかな質感に織り上がります。帯地に使われることが多く、しなやかで軽いため締めやすいことが特徴です。

7.風通

風通(ふうつう)は、2色以上の経糸および2色以上の緯糸を用いて経緯二重織りにした織物です。織物の構造を二重にし、それぞれ異なった織り方を交互に繰り返すことで、表裏の文様は同じですが、色が正反対になります。多層織物のひとつで、二重の断面になっているものを二重風通と呼ばれています。

8.綟り織

綟り織(もじりおり)は、2本の経糸をもじりながら緯糸を打ち込んで、隙間ができるように織られている織物です。筬(おさ:織道具の一種)で緯糸を押さえながら、手投杼で糸を通して打ち込んでいく技法が用いられます。盛夏に着る着物や帯の生地の紗(しゃ)、羅(ら)、絽(ろ)などがあります。

9.本しぼ織

本しぼ織は、経緯ともに練染した絹糸を用い、平織あるいは二重織りにして織り上げられた織物のことです。使用する糸は、あらかじめ下撚りをかけ、米のりなどの植物性糊料を手作業で揉みこみます。織り上げた後に、ぬるま湯に浸し強く揉んでしぼ(織物の表面に現れる凹凸)を出します。西陣御召は、御召緯(おめしぬき)という強く撚った糸を使用していることが特徴です。

10.ビロード

ビロードは、片面もしくは両面に輪奈(ループ)をつくるように平織もしくは綾織(パイル織り)で織り上げられた織物のことです。経糸にパイル用針金を織り込んで、後から針金を引き抜いて輪奈を作り、上の部分を切りそろえて文様が織られます。通称、輪奈織、金華山とも呼ばれています。ちなみに、洋服などに使われる別珍(べっちん)やコーデュロイもビロードの一種です。

11.絣織

絣織(かすりおり)は、経緯糸ともに部分的に防染した絣糸を用いて、組み替えたりずらしたりしながら、文様を作り出された織物です。平織りあるいは朱子織りで織り上げます。通常の絣は木綿の糸を使いますが、西陣織では多彩な色で染めた絹糸を使うことが特徴です。糸が細いため、織物を構成する糸数が多くなり、繊細な模様が際立ちます。

12.紬

紬(つむぎ)は、経糸には生糸(繭から紡いで処理していない糸)もしくは真綿の紬糸、緯糸には玉糸(玉繭から紡ぎ出した糸)もしくは真綿の紬糸を用いて、平織で織り上げられた織物のことです。紬糸を経緯共に100%使用するのではなく、数本に1本織り込まれていることが特徴です。

 

参考:西陣織の品種|西陣織工業組合

西陣で織られる帯の種類

 

帯の三大産地として有名な西陣では、さまざまな種類の帯が作られています。ひとくちに西陣織の帯といっても、フォーマルな場で使う豪華な袋帯から、ちょっとしたおでかけに使えるおしゃれ着向けの名古屋帯など、用途に合わせて選べるのも西陣織の魅力でしょう。ここでは、西陣で織られる帯の種類について解説します。

丸帯

丸帯は、最も格式の高い帯で、帯地の幅を2つに織って、帯芯を入れて仕立てた帯のことです。錦織(にしきおり)や金襴(きんらん)、緞子(どんす)などで織られています。金銀などを織り込んだ豪華な色柄が特徴です。表にも裏にも全てに柄が入る全通柄になっているため、両面の使用が可能で、複雑な変化結びにに対応できる帯です。婚礼衣装や舞妓さんの衣装に用いられています。

袋帯

袋帯は、丸帯に次いで格式の高いフォーマル向けの帯で、表と裏に別の生地を使って、袋状に織られています。袋帯の場合は、表だけに柄があり全通柄です。古典的な吉祥文様や有職文様から古代幾何学文様などに、多彩な柄箔と金銀糸があしらわれており、お祝いにふさわしいものが揃っています。振袖、留袖、訪問着などに合わせて、二重太鼓結びやアレンジした太鼓結びなど、用途に合わせてさまざまな装いが楽しめるでしょう。

名古屋帯

名古屋帯は、もともと袋帯を簡略化したものですから、袋帯よりも締めやすく、素材や文様によって普段使いからセミフォーマルな場での着用が可能です。柄のつけ方にも種類があり、全通柄、六通柄、お太鼓柄があります。訪問着や付下げ、色無地などに合わせることができ、金銀の糸や刺繍がある華やかなものであれば、小紋の着物を格上げしたりもできます。また、芯を入れて仕立ててあるため、帯幅を好みの寸法に調整できるのも特徴です。

袋名古屋帯

袋名古屋帯は、おしゃれ着や外出着に締める帯のことで、京袋帯とも呼ばれています。
表と裏に別の生地を使って仕立てられており、袋帯と同様の仕立て方です。ただし、袋帯よりも短いため、二重太鼓ができない長さになっています。柄のつけ方は、全通柄もありますが、お太鼓柄もあります。

ひとえ帯

単帯(ひとえおび)は、裏の付いていない一枚織りの帯のことです。単帯は主に夏用で、幅は約30cm・長さは約3m80cmなので、一重太鼓結びはもちろん、二重太鼓やアレンジ結びに結ぶこともできます。紬などの普段着やレトロモダンな着物にも好まれる帯です。ただし、夏用の帯には絽、紗、麻といった素材で織られた袋帯や名古屋帯があるため、単帯とは区別して覚えましょう。

細帯

細帯(ほそおび)は、幅が11〜13cmで単衣あるいは袋状の帯のことです。素材は絹、麻、綿、ウールなどがあり、通年もしくは夏用の帯として浴衣や普段着に合わせて着用されます。柄のつけ方には全通柄と六通柄があり、縞や幾何学文様のほかに古典柄も使われます。また、リバーシブルで使えるものは、帯を折り返して結ぶと、2色使いになるなど、ファッションとしての楽しみも多い帯です。

黒共帯

黒共帯(くろともおび)は、喪服に用いる黒の喪帯を指し、黒共帯もしくは黒喪帯とも呼びます。種類は、名古屋帯袋帯、京袋帯がありますが、一般的には名古屋帯です。また、京袋帯は1本で夏冬兼用で使えますし、表裏で夏用・冬用と使い分けることも可能です。ただし、着物を夏用にしたら帯も夏用を合わせるようにしましょう。

 

参考:帯の種類|小林豊子きもの学院

西陣織を高く売るためのポイント

 

西陣織を手放すか検討している方もいらっしゃるかと思います。西陣織は、多くの種類を少量生産する方式をとっているため、購入価格に反映され高額なものが多くなっています。せっかく売るのであれば、少しでも高く売りたいと考える方は多いでしょう。高く売るためには、主に4つのポイントがあります。

  • ・有名織元で作られた帯である
  • ・お手入れが行き届いている
  • ・証紙が付いている
  • ・専門の買取業者を選ぶ

ここでは、西陣織を高く売るためのポイントをご紹介しますので、参考にしてみてください。

有名織元で作られた帯である

ここまでご紹介してきた通り、西陣織の帯はどれも品質が高く、なかでも有名織元が手がけた帯であれば買取価格のアップが期待できるでしょう。

数々の老舗がひしめく西陣には、西陣織元の中でも屈指の存在といわれる有名織元があります。代表的な織元を以下に示します。

 

  • ・川島織物(1843年創業)
  • ・服部織物(1788年創業)
  • ・龍村美術織物(1894年創業)
  • ・株式会社細尾(1688年創業)
  • ・誉田屋(1738年創業)

 

他にも多くの有名織元があります。お手元の帯を手がけた織元を把握し、有名織元の帯かどうか確認してみてください。まずは、組合員検索|西陣織工業組合で織元名を検索しましょう。

お手入れが行き届いている

価値の高い西陣織でも、汚れやカビ、傷みがあっては、高く買取ってもらうことは難しいものです。デリケートな絹で織られているからこそ、普段のお手入れや保管方法に注意を払う必要があります。着物や帯を着用したあとは、着物用ハンガーにかけて十分乾燥させましょう。保管の際には正しくたたみ、たとう紙に包んで、湿気の少ない場所に保管します。さらに、年に2回ほど虫干しをすると、湿気による傷みが起きにくくなります。

 

しかし、久しぶりに出したらシミや汚れが見つかることも少なくありません。そのような時には自己流で補修せずに、そのまま買取りに出すことをおすすめします。かえって素材を傷めてしまい、西陣織の価値が損なわれてしまう可能性があるためです。日頃から、お手入れが行き届いていれば、いつでも気持ちよく着用できますし、買取りにおいても損はありません。

証紙が付いている

証紙は、着物や帯がもつ本来の価値を適正に判断するのに大きなポイントとなります。誰が見ても本物であることが分かる証紙がついていると売れやすくなり、買取価格が高くなるのです。西陣織の帯には、西陣織工業組合が発行しているメガネ型の証紙がつけられています。また、反物の場合は品質表示マークに材質、生産者もしくは社名、連絡先などが記載されて貼られています。

 

買取りの際には、着物や帯とともに証紙や仕立ての残布に品質表示マークをつけて提示することで、間違いなく西陣織であることの証明になります。そのため、証紙や品質表示マークなど品質を証明できるものを失くさないよう、大切に保管しましょう。

専門の買取業者を選ぶ

西陣織を高く売るためには、専門的な知識をもち、正しい価値を判別できる買取業者を選びましょう。なぜなら、西陣織の専門的な知識や査定技術がないと正しい価値が分からず、買取価格が適正でないためです。買取ってもらってから、後悔しても元も子もありません。適正な価格で売るためにも、着物専門の買取業者に依頼しましょう。

最後に

 

本記事では、西陣織とはどのような織物か、その歴史や特徴、伝統的工芸品に指定されている12品種、帯の種類について解説しました。西陣織は、帯の三大産地として高く評価される京都の西陣地域で生産される高級織物です。古墳時代にその源流があり、応仁の乱の西陣跡地一帯に職人が集まり西陣が発展してきました。脈々と受け継がれた技法によって作られた織物のうち、12品目が国の伝統的工芸品に指定されています。本記事を参考に、今一度西陣織の価値を確認してみてください。

この記事を書いた人

着物買取の窓口編集部

はじめての着物買取で生じる様々な疑問にお答えできるメディア「着物買取の窓口」を運営する編集部です。着物の正しい知識とリアルな体験談を主軸に情報をお届けします。

この記事の監修者

ナヴィカス祐木

津田塾大学大学院修士課程修了。大学在籍時に着付けを始め、若干20代で着付け師としてデビュー。毎年成人...